「『レオナルド・ダ・ヴィンチ』の紹介」 おすすめ度:
投稿日:2001-12-04
本書はまずレオナルドの足跡をたどってゆく。フィレンツェ、ミラノ、フィレンツェ、ローマ、フィレンツェ、ミラノ、ローマ、アンボアーズと各地での足跡とその土地での業績、人々との出会いを伝記風に記す。その点では単調な伝記にすぎないのだが本書の特長はレオナルドの解剖学に二つの章がさかれている点である。そこではレオナルドが脳を精神の座と考えていたことや人体における熱の発生について考察していたことなどが書かれている。そしてレオナルドの卓見としてヴァルサルヴァ洞の発見や動脈硬化症の発見が挙げられている。本書を一貫して流れる疑問はレオナルドのセクシャリティについてであろう。著者はフロイトを援用しながらことあるごとにこの難問に挑んでいる。
本書は170ページと手軽で読みやすい。ちなみに著者は94年度のナショナル・ブック・アワードのノンフィクション部門を受賞したエール大学で教鞭をとる臨床外科の教授である。