「読み返さずにはいられません」 おすすめ度:
投稿日:2007-03-19
こんな巡り合わせがあるのだろうか、と考えずには
いられないほど、残酷な状況におかれた著者が、
医学者として最後に放った輝きが、本書には満ちています。
この状況で、これほど冷静に書物を編まれた、
その精神力に驚かされるばかりです。
いくつもの印象的なエピソードや、言葉が散りばめられているのですが、
「…多くの男性は、みんな自分の時間を犠牲にしても自分の仕事を
まっとうしようとして毎日を過ごしているのではないでしょうか。
しかし、その何年にもわたる努力が、病気をしたとたんに水泡に
帰してしまうのです。」
脳腫瘍なんて、不摂生とかそういう特定の原因とは無縁の、
単に『選ばれてしまった』としか言いようのない病だと考えると、
私はこの言葉を、何度も読み返さずにはいられませんでした。
「重要なデータを残されたとおもいます。」 おすすめ度:
投稿日:2005-09-09
脳外科医の権威が、悪性の脳腫瘍に罹ってしまうなんて・・・
私は岩田さんの勤務していた昭和医大病院に通っていたことも
あり、まさかそんなことが、と恐る恐る読んでみました。
病気を知り尽くした医者だからこそ恐怖が他の人一倍あったと
思いますし、現に岩田先生はうつ病になられたようでした。
病院内での出世、人間関係など気に病むことはたくさんあったこと
でしょう。再発を繰り返し、ある意味絶望の闘病生活。
でも、妻である規子さんや娘さん、そして友人たちの看病、あと
医者仲間である医療関係者の今できる最高の環境の中でのオペや
入院生活のおかげで岩田先生は恵まれた闘病生活を送ることが
できたのではないでしょうか。
何よりも、岩田先生が書き残した術前、術後のこと細やかに書かれた
データは、後世の脳腫瘍医療の発展に必ずや役に立つと私は思います。
お亡くなりになられてすごく残念です。
「身につまされる・・・」 おすすめ度:
投稿日:2003-05-16
敏腕の脳外科医が不治の脳腫瘍に侵され、妻子や仲間との闘病の記録を綴る。私がこの本を読んだのは母が末期がんの闘病中のときでした。医学を志す人、家族の看病をしている方に多くのヒントを与える一冊である。
「命を懸けて自らの専門とする病を知った医者の物語」 おすすめ度:
投稿日:2003-01-27
岩田さんは、何と自らが専門とする脳腫瘍に冒されてしまった。しかも、100%助かる見込みのない最悪の脳腫瘍だった。これを機に、岩田さんは記録ができなくなるまで、自分の専門とする病気の症状、治療の実態、家族への思いを書き遺した。
岩田さんは、この本が出たその年に亡くなったが、これは、岩田さんの見事な遺産になったと私は思う。