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純愛時代 (岩波新書 新赤版 (688))

大平 健
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純愛時代 (岩波新書 新赤版 (688))の詳細
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  • 出版社:岩波書店
純愛時代 (岩波新書 新赤版 (688))のカスタマーレビュー

「精神科を訪れた「恋愛患者」たちの、「純愛」をめぐる短編集。」 おすすめ度:レビュアーのおすすめ度 投稿日:2007-05-28

本書では様々な症例・エピソードをもとに、「純愛」を求め過ぎる現代のねじれた恋愛を論じていきます。
しかし、実際には「論じていきます」の部分はほとんどなく、症例・エピソードの紹介がほぼ全てを占めています。

なのでひと言で言えば、事実をもとにしたフィクション短編集。
もっと言えば、新書型「こたえてちょーだい!」(最近「わかってちょーだい!」に変わったらしい)。
いわゆる再現型フィクションドラマですね。

一応最後のあとがきで

現に生活し恋愛をする〔自分〕と、それを見つめ、小うるさく監督し指示するもう一つの〈自分〉とがいて、その葛藤が今風の恋愛を生み、また恋愛自体を難しくしている

などといった解説がなされていますが、付け足しみたいで微妙。

実際の症例をもとに書いている分、エピソードだけを挙げて解説を省いているのは、精神科医として不謹慎だと言われてもしょうがない一冊だと思います。

「読者の何故には答えないまま終わってしまう」 おすすめ度:レビュアーのおすすめ度 投稿日:2006-06-17

 恋愛によって心を病んだ人たちの臨床を通じて
当世若者恋愛事情を考察した本かと思って読んだの
ですが、何てことはない、単に患者達が病んだ理由
の探求=恋の遍歴を書いた「だけ」の本である。

 これが小説若しくは単なる読み物であれば
それでも良いと思う。
(実際−不謹慎を承知で書けば−テレビドラマの
ネタになりそうな話ばかりだ)

 タイトルにあるとおり、登場する患者達は
皆自分の恋愛を「純愛」だと思っている。

 ならば・・・何故そう思うのか?
純愛を求めるから心を病んだのか?
なんて部分まで踏み込んで欲しかったと思う次第。

 実際、患者らの遍歴自体は他人事ではない。
そう「明日は我が身」なのだ。

「現代の価値観のねじれを解く」 おすすめ度:レビュアーのおすすめ度 投稿日:2004-08-17

 自分自身の立ち位置があいまいで、とにかく主観の中で生み出した価値観に沿って愛を貫こうとする現代の若者。彼らの愛を「純愛」として著者独特の考察を加える。
 純粋ではあるが、屈折している彼らの心の中はいったいどうなっているのか。本書では主に「昔風の愛」と現代における「純愛」を比較対照しながら個々の事例を書き上げている。

 この著者のほかの作品にも通じることだが、彼の考察過程を読み進めていくうちに、読者も自らの生活を思い浮かべながら一緒に考えている、というような感じがある。これは内容の枝葉末節、解釈に読者それぞれ違いはあるにせよ、とても重要なことではないか?

 結局は答えは自分が探すものだし、本はそのきっかけに過ぎない。著者自身があとがきで言っているように、そういう読み方が一番適当なのだろうと思う。

「グロテスクな「純愛」」 おすすめ度:レビュアーのおすすめ度 投稿日:2004-06-15

本著を読み進めるにつれ、私は段々と首をかしげてしまいました。
タイトルの「純愛」とは程遠いグロテスクな恋哀ストーリーが列挙されていて、どこにも「純愛」らしきモノをみつけられなかったからです。

しかし、その疑問が頂点に達するまでには、すでに半分以上ページを読み終えていました。

特殊事例をサラッと一般化してみせる心理学のスーパーテクニック。
『純愛時代』は別の意味で考えさせられる一冊です。

「「純愛」=「とびっきりの愛」?」 おすすめ度:レビュアーのおすすめ度 投稿日:2003-11-27

「純愛」に憧れながら、平凡な暮らしを送っている現代の若者たち。
そのなかで、憧れの「純愛(とびっきりの愛)」に突き進み、現実のなかで傷つき心を病んだ若者6人の診察記。

読み始めた当初、「純愛」=「駆け引きや損得などを、一切考えない恋愛」だと勝手に解釈していたため、読んでいて、しこりの残る感があった。

あとがきによれば、「純愛」=「とびっきりの(ドラマチックな)愛」だと解釈してよさそう。
個人的には「とびっきりの(ドラマチックな)愛」を「純愛」と呼ぶことには違和感があるなぁ…。

あとがきに「若者たちは愛に心底憧れていながら、他方で、とことん愛に絶望している」とあるが、当を得た言葉であると思う。愛への憧れと絶望、そのはざまで揺れ動く私たちは、どのような『愛』の形を作り上げていくのだろうか。

診察の記録がメインとなっている本だが、あとがきが面白い分、著者の分析や考察をもう少し多く、そして深く読みたかった。