基礎医学 | 薬学 医学

新 ルポ・精神病棟

大熊 一夫
新 ルポ・精神病棟の商品情報を見る 新 ルポ・精神病棟をショッピングカートに入れる
新 ルポ・精神病棟の詳細
  • おすすめ度:まだ評価されていません。
  • 出版社:朝日新聞社
新 ルポ・精神病棟のカスタマーレビュー

「精神医療がどのような道をたどってきたかを知るために」 おすすめ度:レビュアーのおすすめ度 投稿日:2008-02-14

 もう20年以上前に出版された本。この有名なルポをようやく実際に読むことができた。

 本書の前半を割いた「宇都宮病院事件」。概要は知っていたが、数々の患者証言には寒気を覚えるばかり。「刑務所以下」だというのだから、そのむごたらしい患者の扱いは、正常な人間のなせることではない。病院スタッフの方がむしろ精神を病んでいるように思えた。後半は、「良心的」精神病院のさまざまな試みを紹介。広範な取材を重ねており、内容が充実している。
 本書発刊より20年以上経た現在、宇都宮病院はもちろん、他の精神病院も、運営、看護体制等は当時とかなり変わっていることだろう。医療費等経済的な背景や精神科治療の進歩なども、病院のあり方を大きく変えていることだと思うが、考えてみれば、私は現在の精神病院の実態について、ほとんど知らない。病院間にどれほどの違いがあるのか? 入院期間は?  
 病院の実態が知られていないということは、つまり、精神病院自体が、相変わらず社会に対して閉鎖的存在だということなのだろう。

 本書は過去のものとして読むべき本だが、精神医療がどのような道をたどってきたかを知る上では、一読の意義があると思う。

「精神医療に関心がある人は、過去にこんなにも過酷な病院があったことを…。」 おすすめ度:レビュアーのおすすめ度 投稿日:2008-01-24

最近、本来保護するべき立場の人が虐待したり、って事件多いですね。この本は精神病院と言われる病院事件の発端となった宇都宮病院リンチ怪死事件というのが前半部分です。読んでいて背筋が寒くなります。まるでアウシュビッツです。すさまじいまでの暴力支配。こんな病院がつい最近まであったとは。読んでいて人事でないのは、もし、発病して精神科救急につれていかれると、患者に病院を選択する自由がなく、運悪く、最悪の病院に入院にでもなれば、治るどころか、精神疾患がますます悪化して沈殿患者となっていってしまう、ということです。まあ、この事件以降、法律が改正されたりしてずいぶんと待遇はましになっているようですが、全国にある病院の中には治療にあまり熱心でなく今でも閉鎖主義を貫いているところもあるでしょうね。後半は先進的に精神医療に取り組んでいる医者の話しが出てきてホッとします。天国と地獄、両方の両極端な病院を経験した患者の話しが特に参考になります。精神疾患への偏見をなくすためにもお薦めの本です。

「昔と今とでは違う」 おすすめ度:レビュアーのおすすめ度 投稿日:2007-10-27

この本はいつ頃か忘れたが、たぶん15年位前に読んだと思う。初めて読んだ当時は、「精神病院ってこんなところだったのか!」とか、精神病院に自分の親兄弟入れたがる家族を「なんて奴らだ!」とか思っていたのだが、今は少し違う感覚である。
というのは、実は中学校以来の友達が精神障害を患い、精神病院に10年以上通院または入院しているという経験があったからである。中学以来といっても、中学だけ同級生だったので、現在、精神病院に通院していると聞いてびっくりしたのである。その友達は中学では勉強もスポーツもでき、成績は常にオール5。結構見た目もスタイルもよく、ファッションセンスも抜群。おしゃべりもうまいので、女の子にもモテモテという私から見れば憧れの友達だったのだが、今はもうそのころの面影はまるでなし。オール5だったとはとても思えないほどで、もう哀れとしか言いようがなかったのだが、本人に会う機会があり、病気になった理由を聞くと、「彼女に振られたから病気になってしまった・・」とかよく分からないことを言っていた。これを聞いて、昔、精神病院に行った人がかわいそうだと思っていたのが、一転、精神病院に言ったのも仕方ないのかな、家族が厄介払いで精神病院に入院させたがるのもうなずけるかなあ、と思ってしまった。本書を読んだだけでは、うわべのことしか分からない。実際の精神病院や病人を見ないと、本書の言いたいことの半分も分からないでしょう。この本に関心を持った人は、本だけを読むのではなく、病院や病人も見るべきだ。

「新ルポ 精神病棟」 おすすめ度:レビュアーのおすすめ度 投稿日:2002-03-21

目からウロコが落ちました。私はいままでこんなことちっとも知らないでいました。そして海外で心理学を学んで、すっかり世は人間性重視の精神病治療の方向に、苦闘しつつもすすんでいるものと思っていました。本当に病気なのはだれなのでしょうか?この病院にかかわったひとびとではないですか?それともそれを許してきた社会でしょうか?国でしょうか?著者はそんな観点からも「精神病棟」を語っています。でも私は思うのですが、これを読んでもなんとも思わない人がいたらその人が一番あやしいのではないでしょうか。