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精子の話 (岩波新書)

毛利 秀雄
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精子の話 (岩波新書)の詳細
  • おすすめ度:まだ評価されていません。
  • 出版社:岩波書店
精子の話 (岩波新書)のカスタマーレビュー

「発生学の基本が学べる」 おすすめ度:レビュアーのおすすめ度 投稿日:2008-05-15

この本を読むにあったって前提になる知識は高校で学ぶ生物の勉強程度だが精子について幅広く新しい知識が得られる。また日本を中心とした歴代の研究者の仕事も紹介しているので,発生学を学ぶ大学生が常識として知っておくべき内容を手に入れるのにも,とても役に立つだろう。ご本人がこの分野の第一人者であるのだから内容の信頼性が極めて高い。巻末の文献リストも役に立つ。

高校教科書にはウニやカエルの受精については詳しく書いてるが,ほ乳類についてはほとんど書かれていない。例えば,ウニの卵は成熟してから精子と受精するが,そのようなものは例外的でほ乳類の卵は減数分裂の第二分裂中期で止まっていて,受精によって減数分裂が進む。そのような基本的なこともこの本で学べる。

また,精子にDNAを混ぜることでその遺伝子が精子に取り込まれることがあり,これを使ってトランスジェニックマウスができるなどなかなか新しい内容も含まれている。非常に高い内容なのだが決してわかりにくい本ではないので,ちょっとがんばって読めば得るものは大きい。

「精子についての総まとめ本」 おすすめ度:レビュアーのおすすめ度 投稿日:2004-07-26

精子には卵子とちがい、「たまご」というような親しみやすい呼び方もなく、いまだに公の場で「精子」と声をだして話をするにはなんとなくはばかられる気もします。しかし精子は、生命誕生のためにはなくてはならぬ遺伝情報伝達のための生殖細胞です。

本書では、性行動の視点からの話はまったく述べられていません。動物(哺乳類、鳥類、魚類など)の精子について、まず精子の発見から始まり、精子のつくられる過程、その運動能と受精能の獲得、そして受精まで、順序よくコンパクトにまとめられています。また、各章の扉には、各種精子の絵が描かれており、それも興味深いです。

本書の内容はかなり学問的ですが、専門外の読者でも、精子の奥深さを知るには読みやすく書かれています。また、生殖生物系にたずさわる農学、医学系の学生や研究者、臨床家にとっては、精子について一から復習でき、おおいに役立つ内容です。生殖に関わる仕事についている方、学生には是非ともおすすめしたい一冊です。