「人間精神の革新的真実を分かり易く説く良書」 おすすめ度:
投稿日:2007-08-03
この本で確信させられたことは、著者のラマチャンドランも断言するように、精神医学が神経科学の一分野になるに違いないということだ。
かつて、精神分析学者や心理学者が人間精神の謎に挑み、ある程度の成果はあげながらも、実に奇妙な主張も唱えてきた。また、なぜ精神がかくのごとく逸脱を起すかについては、精神医学とは別に、宗教あるいは神霊などの神秘学、さらには、似非科学によって、我々は散々引っ張りまわされ、つい妄信させられることもあった。しかし、神経科学の純然たる研究成果は、それを古い時代の亡霊として扱えるよう我々を進歩させる。
世界中で幽体離脱(霊魂が肉体を離れる)の話があるが、これも脳の研究により、ありえる錯覚であることも分かった。
また、世界的ベストセラー「ぼくには数字が風景に見える」のダニエルの不思議な感覚もあっけなく説明がついてしまう。
芸術への洞察も、十分とはいえないながら面白い。なぜ我々が芸術作品に精神的興奮を起すのかも分かる。芸術家を目指す方にも参考になるはずだ。
文句無く面白く、しかも、我々一般人が知るに十分なことを分かりやすく解説してくれる著者は善意に満ちた科学者であると思う。
「訳がイマイチと感じました」 おすすめ度:
投稿日:2007-01-03
人の認知や思考には理性だけでなく、
感情が役に立っているという話や、
母親と感じられない、数字に色が
ついて感じられるなど、色々な
精神的な症状から、逆に脳の機能を
推測していくという内容はとても
面白かったのですが、私には
翻訳が医学論文的で読み物としては
こなれていない感じがしました。
「純粋に面白い。」 おすすめ度:
投稿日:2006-06-06
脳科学についての本は読んだことがなかったのですが
この本は一般の人向けの講演をもとにしているので
とても読みやすかったです。(時間があれば1日で読めます)
数字と色を同時に感じ取る能力があることや
(映画において、数字とかを見てパズルを解くように謎解きをする主人公を連想しました。最近ではダ・ヴィンチ・コード他)
芸術は普遍であるのではないか
というような様々なことが書かれていて面白かった。
ちなみに、大学の心理学の授業でこの本の内容が取り上げられていました。
大学の授業を受けている気分になるかも?
「素晴らしい脳科学の本」 おすすめ度:
投稿日:2005-12-05
これまで様々な脳科学者・神経科学者・心理学者・哲学者の書籍を読みましたが、これほど素晴らしい脳科学の本はありませんでした。
(勿論これらの著者等は素晴らしい知見を与えてくれましたが)
1.わかり易い
2.視点が豊富
3.臨床結果を踏まえている
4.進化過程を踏まえている
5.表現がウィットに富んでいる
前作「脳のなかの幽霊」も読みましたが、こちらの方が講義向けという事でより簡潔にまとまっています。
これから脳について学習しようと考えておられる方には、最適な1冊です。
「脳と心をつなぐ最良の書」 おすすめ度:
投稿日:2005-09-24
でました待望のラマチャンドランの翻訳続編!というわけで「脳の中の幽霊」を読んだならば本書は必読です。
ラマ氏は前翻訳書同様、さまざまな神経障害の症例をもとに、対比的に心の実相を浮き彫りにしてくれます。コタール症、カプグラ症、盲視(これらがどんなものかは本書を読むこと)などなど、奇妙で不可解で不気味ですらある障害が、かえって正常な心の働きのなんたるかを浮き彫りにするわけです。
このラマ氏はとんでもないことをさらっと言う人のようで、たとえば無神論の右脳と有神論の左脳を持つ患者が紹介されているのですが(どのようにしてそれがわかるかといことは、本書を読むこと)、氏はこの患者について、あっけらかんと、この人が死んだならその魂はどうなるのか、左脳は天国へ行き、右脳は地獄におちるのかなどととんでもない疑問を提起したりします。
本書にはこの他にも興味深い症例やラマ氏の独創的でとても面白い考察がふんだんにちりばめられています。元々は一般向け講演の題目だということもあり、大変わかりやすいものとなっています。彼のユーモアあふれる軽口も前著同様で、思わず笑い出してしまうこともあるでしょう。
いやほんと面白い本です。